Monthly Theme Archives

Monthly Theme Aug 2022

We've Got JAZZ

「暑い」としか言葉が出ない季節に、より熱いジャズマンの魂にまつわる本や、クールで涼やかなジャズのスタイルに関する本はいかがでしょうか?

100年前のニューオリンズを基点としながら、スウィングするリズムや複雑なコードは時代の息吹を、地域の風土を、そしてミュージシャンの個性を巻き込みながら、革新させ続けてきました。

そんなジャズの来歴を追う「We've Got JAZZ 」というテーマからELLA BOOK SHELFは始まります。

BOOK LIST

Selected by
東京ヤルセナキオ
写真家の横川辰之が上原、北池袋、神宮前の住宅街をあてどなく逍遥し、カメラに収めたスナップたち。ぱらぱらと、捲って楽しい一冊。
キース・ジャレット ― 音楽のすべてを語る
「サウンドこそ、ぼくの世界だった」と語るジャズ・クラッシックピアノ界の巨匠・キースジャレットによる、彼自身の人生と音楽について。
LE POINT LE JAZZ
20世紀を代表するトランペッターやシンガーのルイ・アームストロングをはじめとする数々のミュージシャンを捉えた、まるでサウンドの聴こえてくるような一冊。
Ari Marcopoulos: Upstream
ジョー・マクフィーをフィーチャーしたインスタレーション「Alone Together」にも焦点を当てた、アーティスト  アリ・マルコポロスによるアートブック。
the sound I saw
写真家ロイ・デカラバが、ジャズ界の古き良き「永遠のスター」たちを多く捉えた写真集。低く、時に高く、渋くて甘美な音色がページ上に流れるような一冊。
JAZZ GIANTS 1961-2013
ジャズ喫茶・ジャズバー文化を牽引した「DIG」「DUG」のオーナーであり、カメラマンとしても活躍をした中平穂積の渾身の一冊。この迫力には、敵わない。
American Music: Photographs
最も有名な女性写真家の一人であるアニー・リーボヴィッツによる、ミュージシャン・ポートレートの集大成とも言える本書。そこに映る「人」とその「生活」には、どこか惹かれるものがある。
Jazz
色彩の魔術師とも異名されるアンリ・マティス。そんな彼が描く「ジャズ」はそれぞれ異なった音を、勢いよく私たちの脳裏に響かせてくるはずだ。
バット・ビューティフル
彼らの堕落しきった生活の中には、美しいジャズの音色が確かにあった。伝説のプレイヤーたちの姿を繊細に描き切った、全8話の物語。
ポートレート・イン・ジャズ
ジャズ愛好家として名高い村上春樹、和田誠によるポートレートエッセイ集。彼らの奏でたレコードをかけながら、その面影をそっと追うのも悪くない。
ポートレート・イン・ジャズ2
1に続く本作では、より深く広いジャズの世界を覗くことができる。あの音はこんな人が奏でていたのか…!またはその逆の驚きと出会えてしまうかもしれない一冊。
ジョン・コルトレーン・インタヴューズ
「孤高の奏者」として名高いジョン・コルトレーンの生前インタビューが、この一冊に。彼の曲を聴きながらであれば尚更、彼のその輪郭が浮かび上がることだろう。
セロニアス・モンクのいた風景
「ユニーク」を体現したかのような名プレイヤーであるモンクの若かりし日を知る人々から評論家、仕事仲間達の語った彼の新たな一面。村上春樹によるエッセイも見逃せない。
ジャズ小説
名プレイヤーによるジャズの名ナンバーに触発され、生み出された新たな筒井康隆ワールド。笑いと毒との絶妙なマッチングを、ぜひ。
マイルス・デイヴィス
「カインド・オブ・ブルー」創作術
今でもジャズ・ムーヴメントの大傑作と言える「カインド・オブ・ブルー」を生み出したマイルス・デイヴィス。その創作にまつわるプロセスを、アシュリー・カーンの取材力がその過程を露わにし、名盤の名盤たる所以を伝える。
さよならバードランド
モダンジャズの黄金期とも言える1950年代、ニューヨークで活動していたベーシストのビル・クロウによる自伝的エッセイ集。同年代プレイヤーたちとの交流記は、ぜひレコードを聴きながら。
新宿DIG DUG物語
『月があんまり低いから今宵はDUGへ行こう』60年代を代表する伝説のジャズ喫茶「DIG」そして「DUG」の軌跡が今、ここに。
Freedom, Rhythm & Sound:
Revolutionary Jazz Original Cover Art 1965–83
1965年から1983年までに誕生した、ユニークなデザインのジャズレコードをまとめた図鑑的一冊。好みのジャケットから音楽に出会うのも、一つの楽しみ方かもしれない。
Go Ahead in the Rain:
Notes to a Tribe Called Quest
「Jazz」的な精神は、他のブラックミュージックにも大きな影響を与えた。「We’ve got JAZZ」とライムしたA TRIBE CALLED QUESTの1冊。
ジャズ・アネクドーツ
ベーシストのビル・クロワが、当時の名プレイヤーや音楽生活の中で起こったことなどを色とりどりに描いた一作。思わず自分でリズムを刻みながら、声に出して読みたくなるエッセイ。
昭和ジャズ喫茶伝説
ジャズはジャズ喫茶で聴くものとされた時代に存在した、数々の伝説的ジャズ喫茶について記された一冊。行ったこともないのになぜかいい、懐かしい。そんな店舗と歴史の面影を辿る旅へ。
マイルスとコルトレーンの日々
ビバップから出発し、モダン・ジャズを牽引してきたマイルス、そしてコルトレーン。英米仏のジャズ雑誌をも引用しつつ、二人について奏でられる植草ワールドは見逃すことが出来ない。
日本ジャズの誕生
日本のジャズ誕生、例を見ないダンス文化、ショー文化を紐解き、現代の「ポップ」誕生までを記した一冊。戦前の日本で、こんなにも凄い音が流れていたとは!
日本フリージャズ・レコード図説
1969年から1989年の間20年間に誕生した日本のフリージャズ・レコード384枚をリストアップし、博士と助手と呼ばれる選者がコメントを寄せた図説集。新たなレコードをディグる手がかりとしても。
スタン・ゲッツ ― 音楽を生きる
「フィッツジェラルドこそが小説であり、スタン・ゲッツこそがジャズであった。」と村上春樹が話す、テナー・サキソフォンの巨匠、スタンの人生に迫る評伝集。これを読まずして彼を語るべからず。
ジャズ武芸帳
ジャズピアニストでもある山下洋輔によるエッセイ集。ジャズについて、ブルー・ノートについて、ピアノについて、ベートーヴェンや美空ひばりについてまで言及した、色彩豊かな一冊。
Ari Marcopoulos: Upstream
ジョー・マクフィーをフィーチャーしたインスタレーション「Alone Together」にも焦点を当てた、アーティスト  アリ・マルコポロスによるアートブック。

EBS PLAY LIST

Selected by

Monthly Theme Archives

近年、国内だけでなく海外でもスポットライトの当たることの多い「シティ・ポップ」の潮流。
始発点とその定義は曖昧で、人によっても捉え方は違うのだそうですが、サウンドやヴィジュアル通した上品さと洒脱さ、そして時代の波を超えていく普遍性を感じさせるイメージは一貫しています。

リズミカルなテンポと精巧なサウンドがなぜ世界を席巻するのに至ったのか? そんなことも少しだけ考えながら、この冬の支度を始めるのは如何でしょう。

テクスチュアの語源はラテン語の「textura」。元来、織物の質感や織り方を指す言葉でしたが、それが素材の感触や表面の処理なども表すように派生しました。加えて、音楽の世界では音の質や響きの密度、空気の震える様子もテクスチュアとして捉えられます。

今回は、独特のテクスチュアをつくり出す音の出し方や録音術、さらには触覚として新鮮で気持ちよい本など、あらゆるテクスチュア・ブックを選んでみました。何でもデジタル技術で処理されてしまう時代だからこそ、人の感じる絶妙で曖昧な感覚を大切にしたいと思うのです。

1960年代のヒッピームーヴメント「The Summer of Love」に触発され、1980年代後半に起こったダンスミュージックのムーヴメント「The Second Summer of Love」。

アシッドハウスを爆音で聴きながら、人里離れた野外や倉庫で行われたレイヴは、エクスタシー文化と結びつきながら、それまで英国にはなかった解放感溢れる音楽の波をつくりました。
サッチャー政権での高失業率と明日への不安が反転し、当時の計り知れない熱量が今も語り継がれる狂騒の時代を本を通じて垣間見て下さい。
1960年代のヒッピームーヴメント「The Summer of Love」に触発され、1980年代後半に起こったダンスミュージックのムーヴメント「The Second Summer of Love」。

アシッドハウスを爆音で聴きながら、人里離れた野外や倉庫で行われたレイヴは、エクスタシー文化と結びつきながら、それまで英国にはなかった解放感溢れる音楽の波をつくりました。
サッチャー政権での高失業率と明日への不安が反転し、当時の計り知れない熱量が今も語り継がれる狂騒の時代を本を通じて垣間見て下さい。